万能BBQグリル「KAMADO JOE」で作るポルケッタとピザ

イタリア式ローストポーク「ポルケッタ」

イタリア式ローストポーク「ポルケッタ」はイタリアンレストランの前菜やメインでよくお目にかかります。和洋中華を問わず豚肉のグリルやBBQは甘い味付けが多い(それがまた美味しい)のですが、ポルケッタはニンニクとハーブを効かせた塩味でちょっと一線を画しています。

僕が初めて作ったポルケッタは1998年発行の「dancyu」別冊にある日高良実シェフのレシピを参考にしたものです。あらためて本を見ると、もう随分昔の話で驚きます。記事のタイトルも「豚ロース肉のオーブン焼き」となっていて「ポルケッタ」とはどこにも書いていません。恐らく、この頃はまだポルケッタという名前がポピュラーではなかったのでしょうね。

ポルケッタの基本レシピはわりと簡単で、豚肩ロースを塩コショウで味付けし、刻んだニンニクとハーブ(ローズマリー他)を全体にまぶし、タコ糸で縛って形を整え、家庭用のオーブンだと200-220℃位で1時間くらい焼くと出来上がりです。この時ジャガイモなんかを一緒に焼くのが定番です。

ポルケッタとは本来イタリア語で豚の丸焼きを指すそうです。YouTubeのレシピ動画で本場の作り方を見ると、厚い脂の部分を外側にしてグリルでカリカリに焼いています。これは見るからに美味しそうで、良い肉が手に入ったらぜひ試してみたいと思っています。

ポルケッタはキャンプでも失敗が少ない

前述のとおり定番の豚肉BBQレシピには砂糖やハチミツを加えた甘いBBQソースを使うことが多いのですが、こうしたソースは肉を焦がしやすく、火加減の調節が難しくなります。ダッチオーブンの老舗「LODGE」が開く料理コンテストでは、決勝戦の課題は常に甘いソースを使った豚肉ローストだと聞いたことがありますが、その意味はよくわかります。

塩味のポルケッタは焦げにくいのでBBQグリルでも作りやすい。

この点、ポルケッタは塩味なので調理にあまり気を使わなくてもよく、キャンプなどで多少手を抜いて作っても失敗はあまりないと思います。それどころか見た目も味も本格的ですから、まわりから受けることは間違いありません。

今日は具沢山でちょっと贅沢なポルケッタ

さて、普段の僕のポルケッタはシンプルな作りですが、今回は最近見た海外YouTube動画を参考にして、少し凝った造りにしてみました。材料は豚肩ロース塊(1.5㎏)に刻んだニンニク、生ハーブ(ローズマリー、タイム、イタリアンパセリ)を刻んだもの、自家製のパンチェッタと豚ひき肉を炒めたもの、刻んで炒めたタマネギ、レモンの皮、そして生ハムです。本当はパルメザンチーズも入れる予定だったのですが、材料が多過ぎて途中で忘れてしまいました。

豚肩ロースは厚さ2㎝位に均一に開きます。次に両面に塩コショウした後、片側に先ほどの具材を乗せてます。具材の順番はあまり関係ないと思います。ハーブは3種類使いましたが、この中ではローズマリーがポルケッタには必須の材料です。

具材を整えたら、次は肉を端から丸めてタコ糸で縛ります。最後にオリーブオイルを全体に塗れば準備は完了です。材料にもよりますが、キャンプなどで作るなら、ここまで仕上げたものをクーラーボックスに入れて持っていくと衛生面でも心配がなく勝手が良いと思います。

ワイヤレス肉温度計「MEATER」をセットします。

肉をグリルに入れる前に以前のブログ記事で紹介したワイヤレス温度計「MEATER」を肉に刺します。塊肉の調理には肉温度計は必需品です。肉温度計は必ずしもワイヤレスである必要はありませんが、蓋の開閉に伴う温度変化が小さいので、あると非常に便利です。今回は内部温度を63℃に設定しました。

ポルケッタを焼くグリルは今日も「KAMADO JOE」

万能グリルKAMADO JOEでまずはポルケッタを焼きます。

今回使うBBQグリルは以前の記事で紹介したKAMADO JOEです。米国生まれのこのグリルは本体が蓋付のセラミック素材なので保温性と温度管理に優れ、一般的なグリルだけでなくオーブンとしての機能が充実しています。保温性が良いので冬の野外料理にも最適で、今回は温度を200℃位にセットして、そのまま約1時間半弱の調理で肉の内部温度が63℃に達してポルケッタが焼き上がりました。

ついでに「KAMADO JOE」でピザも焼いてみた

焼き上がったポルケッタをアルミホイルに包んで休ませている間に、KAMADO JOEでピザを焼いてみることにしました。

最近はキャンプ用にコンパクトなアウトドア用ピザ窯がたくさん販売されています。本格的なピザ窯だと内部が400℃以上になりますが、アウトドア用の簡易ピザ窯であっても温度はそれなり上がり、オーブン機能も含め機能的には十分だと思います。ただ、これを普通のBBQグリルとして使おうとすると少々使い勝手が悪いように思います。

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一方、蓋のない普通のBBQグリルでそのままピザは焼けません。キャンプでピザと肉を両方それなりに焼こうとするとピザ窯とBBQグリルの両方を用意して行く必要があります。これはこれで持って行く荷物が増えてキャンプには厄介です。

この点、KAMADO JOEはオーブン機能が高く、内部の温度は400℃以上にすることも可能とされています(まだそこまで試していませんが)。もちろん蓋を開けば普通にBBQグリルとしても使えます。僕の使っているKAMADO JOE JRはシリーズで最もコンパクトなので車で持ち運びも可能です。この汎用性こそがKAMADO JOEを高木美帆選手並みの万能グリルと僕が呼ぶ理由なのです。

220℃で20分焼いたピザ。

今回は炭の量が少なめだったので温度設定は一般的なオーブンと同じ220℃にしました。KAMADO JOEには専用のピザストーンもありますが、今回僕は家にあったデロンギのコンベクションオーブン用ピザストーンで代用しました。サイズはKAMADO JOE JRにピッタリなので、これからもこれを使おうと思います。

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ピザ生地はナポリピザタイプの冷凍生地を使いました。もちっとして厚めです。この生地だと本来はもう少し温度が高い方がいいと思いますが、220℃で20分少々焼いて写真のように仕上がりました。

焼き上がったピザとポルケッタ

KAMADO JOEでポルケッタとピザを焼くポイント

ピザとポルケッタが焼き上がりました。KAMADO JOE、いい仕事してます。ポルケッタのようなローストは基本的に温度を抑え目にして、出来るだけじっくり焼く方が美味しいと言われます。このサイズ(1.5㎏)だと、大体180-200℃位に温度を調整し、1.5-2時間位かけて調理するというのが目安でしょうか。最初にKAMADO JOEの火が安定していないと、調理を始めてから温度が上下して調整が難しくなります。今回も一時250℃近くまで温度が上昇して、あたふたと温度を調整しました。火と温度を十分に安定させてから窯の中に肉を入れるのが大事です。

ピザの方は200℃以上の温度で時間をかければ、どんな窯でも大体それなりに仕上がると思います。KAMADO JOEの場合は200℃位は簡単にキープできるので、この点では何の問題もありません。窯の中を400℃近い高温にするには今回よりも炭の量を増やさないといけないようなので、この辺りは今後もう少し実験が必要です。