焚き火とダッチオーブンで作るラムシャンクの煮込み

 

ダッチオーブンと焚き火で作る煮込み料理

寒くなると恋しくなるのが煮込み料理です。秋から晩秋の頃、キャンプで焚き火を使いながらスロークッキングで煮込み料理を作るというのはとても贅沢なひと時だと思います。

野外での煮込み料理では何といってもダッチオーブンが活躍します。多少汚れても気にならならず、また熱をしっかりと閉じ込めるので、気温が下がった時期でも調理に不自由がありません。今回は以前の記事でも料理したラムシャンク(すね肉)を2時間くらいかけてじっくりと煮込みました。前回はダッチオーブンと石窯のタッグでしたが、今回は焚き火が熱源です。

煮込むほど美味しくなるラムシャンクはスロークッキングに最適な素材

ラムシャンクとはラムのすね肉のことです。すね肉は豚ならドイツ名物「アイスバイン」、牛なら「牛すね肉の煮込み」など、何れも煮込むことで硬い肉が柔らかくなり、美味しさも増す、まさにスロークッキングに最適な部位です。

ラムシャンクの場合は匂いが気になる人もいるかもしれません。僕は道産子でジンギスカンを食べ慣れているせいか、比較的抵抗がありません。それでもローズマリーやタイムのようなハーブをたっぷりと使った方が、やはり癖が少なくなり食べやすいように思います。

先ずは肉の表面を焼きます

最初の工程は肉の表面を焼くことから始めます。今回は焚き火の火を使いましたが、これはフライパンでも何でもOKです。焚き火の場合は今回のように合わせ焼き網を使うと調理がしやすいと思います。両面に焼き色がしっかりと付くまで火で炙ってください。

煮込む際には生ハーブをたっぷりと使うといいです

肉の両面が焼けたら、ダッチオーブンを火にセットします。先ずは赤ワインをボトルの半分くらい注ぎ入れ、そこにトマトペーストを2袋くらい入れて、よくかき混ぜたらラムシャンクを並べます。刻んだタマネギ、ニンジンを加えてスープストックも注ぎます。さて、ここで大事なのがハーブです。匂いが気になる人は多めに入れるといいと思います。今回は生のタイムとローズマリーが手に入ったので使いましたが、もう少し多めでも良かったかもしれません。ハーブ類を煮込み料理に使う際は、出汁漉し布やボール茶こしのようなストレーナーに入れて使うとハーブの屑がスープに混ざらないので便利です。

あとはコトコト煮込むだけ。合い間にマッシュドポテトを作りました

さて、ここからは基本的に火の番をしながら煮込んでいくだけです。水が不足してきたら適宜足します。この間、火を眺めながら、コーヒーでも、ビールでも、ワインでも、好きなものを飲んで静かに過ごすひと時が最高です。

「ラムシャンクの煮込み」の付け合わせにはマッシュドポテトがとても合います。トウモロコシ粉で作るポレンタなんかもいいです。肉を煮込んでいる間にジャガイモを茹で、温めた牛乳にバターを溶かし、潰したジャガイモと混ぜればマッシュドポテトは直ぐに完成です。

1時間を超えた辺りでダッチオーブンの蓋に炭を乗せます

コトコト1時間以上煮込むと肉が相当柔らかくなってきます。この辺りで水を加えるのを止め、汁を煮詰めていきます。ダッチオーブンの蓋に焚き火の「おき」か火がついた炭を乗せます。これは温度を上げるのと同時に、鍋の中でスープから頭を出している肉の表面を焼き強めるためです。

小一時間この状態で煮込み、スープが適度に濃縮されたら完成です。スープがやや多い時には、最後の方で蓋を外すと、早く煮詰まります。

柔らかく変身したラムシャンクを赤ワインと一緒に

ほどよく調理されたラムシャンクは骨から簡単に肉が外れるくらい柔らかくなっています。マッシュドポテトと一緒に皿に盛りつけ、上から煮詰めたスープをかけるとキャンプの贅沢な一品になります。ちょっと濃いめの赤ワインが合うと思います。