石窯とダッチオーブンで作るラムシャンクの煮込み

石窯で作るスロークッキングなオーブン料理

昨年大阪の薪クラブさんから購入した石窯キット「ジョコフォルノ」。石窯定番のピザやパンの出来には大満足していますが、石窯料理の醍醐味は決してピザやパンだけに限ったものではありません。例えば蓄えた熱で塊肉を時間をかけてローストしたり煮込む料理なんかは石窯料理の真髄と言えるでしょう。

僕の敬愛する料理家にイギリスのリック・スタインという人がいます。彼はBBCのグルメ紀行番組に数多く出演しているのですが、日本で彼の番組はほとんど放映されておらず、仕方がないので僕はイギリスから本やDVDを取り寄せて見ているくらいの大ファンです。

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リック・スタインは凝った三ツ星レストランの料理よりも、シンプルだけど時間と手間をかけたローカルフードを称賛します。それは例えば地場産の羊や山羊の塊肉を昔ながらの薪のオーブンや窯でじっくりとローストしたり煮込んだりする料理のことです。僕はBBQでは塊肉を焼くのが大好きなのですが、このリック・スタインの番組に出てくるような、塊肉をヨーロッパの伝統的なオーブンを使って作る伝統料理にもずっと興味があって、石窯を手に入れたらいつか是非作ってみたいと長年思っていたのです。

石窯とダッチオーブンは相性が抜群

前々回のブログ記事で紹介した「ロシアの壺」は石窯との相性の良さから購入したものです。しかし、大きめの肉塊を煮込んだりするには何といってもダッチオーブンが優れものだと思います。ダッチオーブンは石窯に入れても汚れなどが気にならないし、何といっても熱効率が良く、スロークッキングをベースとする石窯を使った煮込み料理では相乗効果が期待できます。

今回は僕の石窯「ジョコフォルノ」でも出し入れが可能なユニフレームの8インチダッチオーブンを使いました。僕はこの小振りなダッチオーブンを石窯料理用に購入したのですが、錆びにくく、底が平らでIHでも使えるなど石窯料理以外でもお薦めです。

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骨付きラムすね肉=ラムシャンクを煮込む

ラムシャンクとはラムのすね肉のことで、コラーゲンたっぷりの骨付きの肉は煮込むとほどに旨味が増します。まさに前述のリック・スタイン氏が言う「シンプルだけど時間と手間をかけ」て調理することで美味しさを生み出す典型的な素材の一つです。今回のラムシャンクは僕がいつも利用しているお肉の通販サイト「ミートガイ」さんから購入しました。

「ミートガイ」さんから購入したラムシャンク2本入りパック。

調理はとても「シンプルです。先ずパプリカ、カイエヌペッパー、ガーリックパウダー、塩コショウを混ぜたドライラブ(乾燥スパイスミックス)にオリーブオイルを加え、肉の表面にまんべんなくすり込み、一時間ほど馴染ませた後フライパンで表面を焼きます。

ドライラブとオリーブオイルをすり込んだラムシャンクの表面をフライパンで焼く。

次にニンジン、セロリ、タマネギを軽く炒めてニンニク、ジャガイモを加え、ラムシャンクと一緒にダッチオーブンに入れます。そして、その上から水煮トマト一缶と赤ワイン1本を加えて蓋をします。

材料全てをダッチオーブンに入れる。

これを約200℃位に熱した石窯の中にダッチオーブンごと入れます。温度は特別高い必要はなく、パンなんかを焼いた後の余熱に時々追い焚きするくらいで十分だと思います。

石窯にダッチオーブンを投入。温度が高過ぎないスロークッキングが基本。

さて、石窯の中で約3時間、調理と言っても火と温度を適度に維持しながら基本はそのまま置いておくだけ、これが全てです。完成時の石窯の温度は120℃位まで下がっています。仕上がりの目安は肉が骨からスッと抜けるようになること。こうなると肉も柔らかくなり、コラーゲンも溶け出しています。

肉が骨からスッと抜けるようになると完成です。

石窯でじっくり煮込んだ肉の美味しさ

早速試食してみます。肉はとても柔らかく煮込まれ旨味も十分です。一緒に煮込んだ皮つきのジャガイモも美味しい。羊の肉の匂いが気になるようであれば、ローズマリーのような強めのハーブを加えると良いと思います。それにしても赤ワインが進みます。石窯とダッチオーブン、これは最強タッグです。

自家製パンと一緒に。赤ワインがひときわすすむ一品です。