人生初の沢庵漬けを作ってみました

 

2024年、明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

新年早々良くないニュースが流れていますが、今年は一体どんな年になるのでしょうか。しばらくブログの更新が滞っていましたが、年末はBBQに加えて、様々な保存食作りにトライしていました。その一つが人生初の沢庵漬け作りです。今回はこの話題をお届けします。

小泉武夫先生の説く「日本の男と漬け物」

僕が敬愛する発酵学の権威で食の冒険家、東京農大名誉教授の小泉武夫先生の著書に「食いたい!男の漬け物」があります。日本各地の美味い漬け物を紹介した本ですが、そこで先生は「日本の男たちは年齢を重ねると漬け物を欲しがるようになる。」と論じられています。

僕自身は比較的若い頃から漬け物好きでしたが、確かに年齢と共に漬け物嗜好は強くなってきたように思います。以前は親戚やら近所のお年寄りから美味しい漬け物を頂く機会も多かったのですが、気が付けば自分自身が年寄りになり、近頃ではこうした機会はめっきり減ってきました。こうなれば、もう自分で作る他はないと意を決し、今回は手始めに人生初の沢庵を漬けることにしました。

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先ずは大根を洗って干すことから

材料の大根は妹が家庭菜園で作ったものを分けてもらいました。まあ半自家製と言ったところです。大根畑に行き比較的太い20本ほどを間引いて引き抜きました。沢庵漬け用の大根は太くて立派な方が良いと思っていたのですが、実は青首の太い大根は漬け物向きではないそうです(後述)。家庭菜園にあった大根は品種なのか単に出来が悪いのか程々のサイズで、結果的には漬け物用にちょうど良いサイズだったようです。漬け物用の大根を家庭菜園で作ろうという人は先ず大根の品種を確かめた方が良いようです。

家庭菜園から掘り出した材料の大根。漬け物には適当な太さだったようです。
先ずは収穫した大根を洗います。

初日の作業は大根を収穫してよく洗い、束ねて干すまでです。20本だとそれほどの作業ではありません。20本という量は漬け物用の20L樽に入る程度を想定しています。洗った大根の干し方は葉を除いて干す、葉を付けたまま干すの両方あるようですが、今回は葉を付けたまま干してみました。

大根は2本ずつ縛って束ねました。
カーポートの下に物干しざおを置いて大根を吊るしました。

掘りたて大根で作る「豚バラ大根」は秋の味覚

折角新鮮な大根を収穫したので、1本使って何か料理することにしました。ちょうど豚バラ肉があったので一緒に煮て「豚バラ大根」にします。ダッチオーブンに水と焼酎を入れて豚肉を煮込み、次に醤油と砂糖で味付けして大根を足して煮込みます。煮込み料理は晩秋(この時11月)の風景に合います。脂が染みてコッテリした大根は日本酒にも焼酎にも最高です。

干した大根を背にダッチオーブンで豚バラ肉と大根を煮込む。
豚バラの旨味が染みたコッテリ大根が美味い。

大根と言えば、葉も美味しいですよね。僕は油揚げが大好きなので夜は新鮮な葉と煮込んでみました。これもお酒に合います。残った大根の葉は干して乾燥保存しました。

大根と油揚げの炒め煮とフキの煮物。フキは春に採って塩漬けしたもの。

1週間干した後で、いよいよ漬け込み

干し始めてから1週間経って、いよいよ漬け込みです。今回干した大根は一週間でちょうど程よく水分が抜けたように思います。最近の北海道は11月でも気温が高いので乾きやすかったのかもしれません。漬け物のレシピ本やネットの記事を読むと、基本的には長期間漬ける場合(開封が遅いもの)ほど水分を落とす(乾燥を長くする)ようです。今回で言えば10日とか2週間に相当するのかもしれません。ただ気温もだんだん下がってくるので、日数は一概には言えないかもしれません。また水分を落とし過ぎると水が上がらずに失敗することもあるようです。漬け込んだ大根の上まで1週間くらいで水が上がってこないとカビの原因となると言われ、この場合は塩水を足すことになるようです。条件に応じた、この辺の塩梅が経験と勘の世界になるのでしょう。

1週間干した大根。手で曲げると軽く折れ曲がり、程よく水が抜けたようです。

沢庵漬けのレシピを探してみると、一体どれを参考にしたら良いのか迷うほど巷にあふれており、その内容にも結構幅があります。レシピによって材料、季節、場所、気候が違うので、こうなるのでしょう。今回は最終的に以前から家にあった主婦之友社「私の保存食漬けもの四季折々」を教科書としました。この本には様々な漬け物の基本的なレシピが掲載されていますが、何れも初心者にもわかりやすいシンプルな記述でお薦めできます。レシピは必要十分な基本的な内容なので条件や技量に応じて応用できる含みもあります。

基本の材料。大根の他は米ぬか、塩、ざらめ、赤唐辛子。

教科書に沿って使った材料は極めてベーシックなものです。先ず塩。これは精製塩を使いました。そして米ぬか、ざらめ、赤唐辛子です。分量は干した大根10㎏に対して、米ぬか1.5㎏、塩600g、ざらめ500gです。ざらめについては300-800gの範囲で好みで加減するとあったので、今回は真ん中位にしました。因みに干した後の大根の重さは一本平均が120g位、全部で15㎏位だったので、米ぬかや塩はこの重さに合わせて使用量を調整しました。

米ぬかに塩とざらめを入れて混ぜ合わせます。

最初に米ぬか、塩、ざらめを全てよく混ぜ合わせ、これを漬け樽の底が見えない程度に一面に敷きます(今回は漬け物用のビニール袋を樽に被せて使いました)。その上に大根を一本一本出来るだけ隙間がないように並べます。

樽の底に糠を敷き大根を並べていく。

今回使った樽のサイズは20Lで最大30本程度の大根が入ることになっています。これは樽に隙間なく大根を漬けた場合の量だと思います。実際やってみると大根の長さと樽の幅が一致しないので隙間を埋めるのにちょっと苦労します。隙間が出来ないように大根を縦や横に切って埋めた方が良いのか、多少隙間が空いても切らずにそのまま並べて漬けた方が良いのか悩みましたが、取り敢えずは切らずにそのまま漬けることにしました。

大根を一段並べ終えたら糠を被せて繰り返します。ちょっと隙間あり。

大根を1段並べたら、上から米ぬか(塩・ザラメを混ぜたもの)を被せてならし、再び大根を並べる。これを繰り返します。今回は数も少ないので3段で終わりました。最後の段の上から糠をふり、さらに大根の葉を並べて蓋にして、最後にビニール袋の口を縛って閉じて作業終了です。

最後に並べた大根の上に米ぬかを被せ、その上から大根の葉で蓋をしました。
参考レシピ通りに重石は合計20㎏。

干した大根で作る煮物は味が深くて一興です

樽漬け終了後、干した大根が少し余ったので煮物にしました。干した大根は味が濃厚になって美味しいという記事を読んだことがあるからです。今回はこんにゃく・生揚げと一緒に煮込みました。話の通り、大根はいつもより濃厚な味がします。これはこれで一興です。

こんにゃくと生揚げと干し大根の煮物。大根の味か濃い。

 

キノコご飯と干し大根の煮物。

1週間で無事水が上がってきました

無事大根を漬け終えて一段落し、改めてレシピを見直していたら、この後1週間で糠がじんわり水気を含んでくるとあります。ネットで沢庵のレシピをいろいろ調べてみると、こういうのを大抵「水が上がる」と表現していて、しかも上手く水が上がらないと大問題になるようです。知りませんでした。

簡単にまとめると、大根の水分と塩の濃度と重石の重さが適切であれば、1週間程度で大根から水が出てきて漬けた大根の上まで達し、これが腐敗を防ぐ働きをするようです。逆に言えば上手く水が上がらないと腐敗の危険があり、この場合は塩水を足す必要があるようです。

1週間経って水が上がってきた状態。
  1. 漬けてから2週間経って確認してみると、幸い無事水が上がっていました。多過ぎる分の水を少し捨て、重石は5㎏に減らし、その後は再び冷暗所に置きました。

1ヶ月後に開封、試食、そして至福

約1か月後、そろそろ開封してみることにしました。樽の中の水の量はそのままで、特に異変はありません。早速ビニール袋の口を開けて中から1本取り出しました。かすかに酸っぱい香りがします。表面は薄く黄色み、道の駅などで売っている手作り沢庵と似た感じです。つまり見た目は結構本格的(笑)な感じがします。

記念すべき人生初の沢庵漬け。春に作ったワラビの塩漬けと。

いよいよ試食です。表面の糠を洗い落とすと、全体に色付きがまだ薄い感じです。一口食すと、歯ごたえは良く、酸味はなく、思ったよりは甘みが無くて塩味が強めでした。雑味はなく出来としては一応合格点ではないかと思います。

まだ漬かり具合が浅いせいか色が薄いです。

今回使った砂糖(ザラメ)は600gとレシピの真ん中位の分量でしたが、思ったよりも塩気が強くて甘みは感じませんでした。ただ燗酒には合いましたね。自分で作った漬け物で熱燗で一杯。これぞ小泉先生のいう「男の漬け物」の至福の世界ではないでしょうか。

塩気が強めで日本酒の熱燗にはよく合います。

番外編:沢庵2樽めを作りました

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前回から2週間ほど間を置いて2回目の沢庵作りを行いました。初回は自家菜園の大根を使いましたが、2回目は近くのファーマーズマーケットから購入しました。天候のせいで大根の出来が良くないために入荷が少なく、購入したのはいわゆる青首の太い大根です。僕は知らなかったのですが、この手の大根は、水分が多過ぎる、繊維が少なく歯ごたえが悪い、辛みが少なく漬けた時の旨味が少ない等の理由から特に沢庵漬けには不向きとされているようです。まあ、しかし他に原料のあてがないのでこの青首大根で作ってみることにしました。

10日間天日干しした青首大根。特に葉側の3分の1くらいが太いまま。

今回は2月頃に開封する(漬ける期間が長い)ことと、水分の多い原料を使うこと、前回より温度が低下していること等から天日干しの期間を10日間に伸ばしました。この時期としては比較的気温が高かったせいか乾燥は思ったより進みました。ただ特に直径が太い葉側の3分の1くらいは太いままであまり水分が抜けていないように見えます。

特に太い何本かは途中で縦に切って網の中で3日間干しました。

水分の抜け具合は干してから1週間で一度チェックしましたが、特に太めの大根は水分が残って太いままだったので、これらは思い切って縦に切って3日間網の中で別に干しました。流石に切って干すと水分は抜やすくなるようです。切った理由はもう一つあって、樽に並べる際の隙間がなるべく出来ないように少し細めのものを用意する狙いもあります。

要領は1回目と同じですが太過ぎて切った大根が含まれます。

大根以外の材料は1回目に準じていますが、塩は海水塩を使いました。この方が味が良いという記事を見たからです。また赤唐辛子の他にリンゴと柿の葉を大根の間に加えました。風味付けです。

四角い漬け樽は材料が収まりやすいようです。

1回目との違いの一つは樽の形状です。大きい樽ならそうでもないと思いますが、20L程度の大きさの円形樽は大根の長さよりも樽の直径が短くなり、並べ難く感じました。そこで今回は樽の形を長方形のものに変えてみました。実際使ってみた感じは、特に樽のサイズが小さい場合は四角の方が材料の収まりが良くなると思います。

最上部には葉をひかずに米ぬかを多めに被せました。

2回目の開封は2月頃を予定しています。青首大根を使った出来。切って干した大根の出来。海水塩を使った効果。リンゴや柿の葉を加えた風味。1回目とは異なるこれらの処理がどう出来栄えに作用するかが楽しみです。結果は2月の開封後にこのページに追記したいと思います。因みに正月明けた現在、1回目に漬けた沢庵は残り2-3本となり、その味は段々深まってきたように思います。

重石は20㎏。樽とセットで買うといいですね。