BBQ用ロティサリーでケバブと定番ギリシャ料理ギュロスを作る

そもそもケバブとは?

僕が愛読する西川治さんの本に「世界ぐるっと肉食紀行」があります。ここで西川さんはケバブについて次のようにまとめています。「ケバブは、中近東を中心に広まっている料理で、串に羊、牛、鶏、魚を刺し、焼いて食べさせるものだ。ケバブほどシンプルな料理はない。鍋、フライパンなども必要ない。きっと木の枝などに刺して肉を焼いていたところはじまったのだろう。洞穴のようなところで火を囲み、肉などをとりあえず直火に投げ込んだりして焼いていたが、それでは思うように焼けないし、灰がついたり、焦げたりする。それなら枝などに刺して火にかざせばいい。焼き加減も調整できる。」

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ケバブはストリートフードとして日本でも今やすっかりポピュラーな存在ですが、あれはケバブの中ではドネルケバブと呼ばれる種類になります。日本ではケバブというとこのドネルケバブ(大きな肉塊を縦型の回転グリルで焼く)をイメージしますが、本来はもっと拡がりがあるようです。ケバブの意味が西川さんの言葉通りだとすれば「ケバブ」は「BBQ」と置き換えてもおかしくありません。このブログで以前、トルコを中心とした中近東や中央アジアの料理には魅力的なBBQ向きメニューがたくさんあることを紹介ましたが(「BBQの海外YouTube動画にはユニークなアイデアがいっぱい」「僕がお薦めする海外のユニークな野外料理動画 Part2」)、西川さんの説明を読むとそれも当然だと頷けます。

ロティサリーキットがあれば家やキャンプで手軽にケバブが作れる。

キッチンカーで売っているドネルケバブを見ると、BBQ好きとしては、あの独特の縦型回転グリルに惹かれてしまいます。流石にあのサイズは家庭や個人で使うには大き過ぎ、そもそも大量の肉を消費しきれません。実際、本場でもドネルケバブは店に食べに行くものらしいです。最近はお手軽な縦型ロティサリーグリルも売っているので、どうしてもという場合は買ってみるのもいいかもしれません。

ケバブマシンエレクトリック、ジャイログリルステンレス鋼垂直無煙バーベキューグリル、ローストチキン、タコス、ローストビーファーに適しています
BUCHAONAO

お店のサイズは無理でも、BBQ用のロティサリーキットを使うと手軽に、そして結構気分は本格的にケバブが味わえます。ロティサリーは横向きですが、ドネルケバブ独特の縦型グリルも、実は始まりは横向きだったということです。

羊肉は適度に脂を残して大きめに切る。

今回使ったラム肩肉ブロックは1.5㎏。

今回はラム肩肉ブロック1.5㎏を使いました。ある程度の肉の量がないと格好もありますが、やはり味が良くなりません。実際作ってみても、これくらいの量は最低必要だと思います。

肉は適度に脂を残して大きめに切り、BBQラブと混ぜて30分くらい置く。

先ず塊肉から余分な脂肪とか筋を取り除き、少し大きめにスライスします。大きめにするのは、小さいとロティサリーの串に刺し難いのと、脂が落ちすぎるためです。最低5cm四方位が目安でしょうか。肩ロースは意外と脂や筋が多い部位です。ロティサリーでは脂が落ちやすいので、あまり脂を除き過ぎると肉がパサパサになってしまいます。脂は少し多めに残すのが良いと思います。実を言えば今回は少し落とし過ぎましたような気がします。本場の動画を見るとケバブには羊のお尻の脂(これがいいらしい)がたっぷりと使われています。脂は結構ポイントなのだと思います。

スパイスラブを作り肉と混ぜ合わせる。

次はスパイスラブ(乾燥スパイスミックス)を作ります。今回はタイム、オレガノ、パプリカ、レッドペッパー、ガーリックパウダーを粉にして混ぜ、そこに塩・胡椒してレモンと赤唐辛子を砕いたもの、そして最後にオリーブオイルを加えました。ラブと肉をミックスしてよく混ぜたら、30分くらい放置します。

肉とスパイスラブをよく混ぜ合わせる。

ロティサリーの串に肉をセットする。

肉にスパイスが馴染んだらロティサリーの串にスライスした肉を一枚一枚刺していきます。できるだけ隙間のないよう、びっしりと刺します。

ロティサリーの串に肉を刺していきます。

肉を刺し終えたら反対側のフォークも取り付けて、出来るだけ肉を押し付けてからしっかりと固定します。

肉を固定したら準備は完了です。

ロティサリー登場。グリルの炭を左右に配置した3ゾーンで調理。

ロティサリーをセッティングします。今回使うのはBBQ界の王道グリル、Weberケトルと専用ロティサリーキットです。この専用ロティサリーキットがあるとWeberグリルが何倍もグレードアップするのですが、何故か日本では正式には売られていないようです。並行輸入品はアマゾンでも手に入ります。

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Weberケトルグリルにセットしたロティサリーキットと肉。

グリルの炭は真ん中を開けた両側に均等に配置します(3ゾーン法)。Weberグリルにはチャーバスケットという専用アクセサリーがあり、こうした炭の配置に威力を発揮します。このチャーバスケットはあると非常に便利な優れものです。グリルの真ん中にはアルミのドリップパンを置き、落ちてくる脂を受けます。

炭は真ん中を開けて両側に配置します。手前に見える台形状の容器がチャーバスケット。

想像以上に本格的。気分

電動ロティサリーのスイッチを入れたら後は放っておくだけ。時々様子を見ながら焼き上がりを待ちます。先ず外側が焼けてくるので、はみ出た肉をナイフや包丁で削って味見します。気分はもう本格ケバブですね。

はみ出した外側の肉をカットして味見。気分は本格ケバブです。

約1時間で焼きあがりました。見た目は最高です。脂が結構落ちるので焼き過ぎないように注意が必要です。今回は少し焼き過ぎ気味かもしれません(か脂が不足)。

約1時間で焼きあがりました。長過ぎると脂が落ち過ぎるので要注意。
焼き上がったら串から肉を外します。

ケバブには粉モノがよく合う。今日はピタパンでギュロス。

さて、焼き上がりをそのまま食べても美味しいのですが、もう一工夫してみます。ケバブというとケバブサンドやギュロス(ピタパンに肉と野菜を挟むギリシャ料理)が有名です。他にもクレープのような無発酵のフラットブレッドに包む場合もあります。何れにしても粉モノと一緒に巻いて食べると一段と美味しくなるのです。

ピタパンを焼きます。

今回はドライイーストを使ったピタパンにしましたが、無発酵でクレープ状のフラットブレッド、トウモロコシ粉のトルティーヤなんかに包んでも合うと思います。この種の広義のフラットブレッドを焼く時には、写真のようなクレープパンが使いやすく便利です。

肉と野菜をピタパンに詰めます。ザジキソースを合わせるとギュロスになります。

ピタパンが焼き上がったら真ん中を開いて肉と野菜を詰めます。これにギリシャ風のザジキソースをかけると「ギュロス」の完成です。ザジキソースはギリシャヨーグルト(なければプレーンヨーグルトを一晩水抜きする)にニンニクとキュウリを擦って加え、さらにレモンとオリーブオイルも加えて味付けしたものです。羊肉の臭みや癖が柔らかくなって食べやすくなります。

ギリシャ風「ギュロス」の完成です。

作ってみると意外と簡単だったケバブ。肉は切ってあるので仕上がりが早く、火加減もあまり気にしなくていいので、キャンプ料理にもマッチしそうです。普通のパンでサンドイッチを作っても悪くありませんが、どうせなら小麦粉を練って現地で焼きピタパンやフラットブレッドにして食べると気分がさらに増すと思います。ロティサリーがなくても料理に大きな支障はありませんが、あると便利で絵面も良くなるのは間違いありません。またキャンプ用のロティサリーなら電池式がお薦めです。

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