僕が愛用するBBQグリルたち、その使い方を紹介します

BBQに凝るとBBQグリルも気になる

ホームセンターやアウトドアショップには様々なBBQグッズが売られていますが、その中でBBQに最も大事な道具と言えば、それはやはりBBQグリルです。BBQも年季が入ると、いろいろな種類の肉をいろいろな方法で焼くようになってきます。こうなると肉や調理方法に合わせたグリルが欲しくなります。もちろん一台のグリルでも肉を焼くという基本的な目的は果たせます。しかし、そこはやはり趣味の世界ですから、道具に凝るのもBBQの楽しみの一つということになると思います。今回は僕が普段使っている様々なBBQグリルの特徴と僕流の使い方をご紹介したいと思います。

オールラウンダーなBBQグリル、コールマンの「クールスパイダープロ」

コールマンの「クールスパイダープロL」。オールマイティなスタンダードグリル。(網はセットではありません)

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引き出し式のロストルと焼き網の高さ調整が売りですが、シンプルな形状による使い勝手の良さが最大の魅力。

さて、僕が最初に紹介するBBQグリルは、コールマンのクールスパイダープロです。このグリルはホームセンターなどでもよく見かけますが、普段僕が最もよく使っているグリルでもあります。このグリルは炭を燃やすロストル部分が取り外し出来る引き出し式であること(炭の継ぎ足しや燃え残りの処理がしやすい)、網の高さが上下に調整できて火加減の調整ができることが特徴です。ただ、僕が普段このグリルをよく使う理由は、そういう細かい点ではなく、このグリルの長方形のシンプルな形状にあります。これはコールマンに限らないのですが、長方形のスタンダードなBBQグリルの形は肉を焼く時の使い勝手がとても良いのです。

BBQで肉を焼く時には、肉を直接炭火に当て調理する(ダイレクト)場合と、炭火から離して間接的に調理する(インダイレクト)場合とを状況によって使い分けます。グリルのロストル部(炭を置く部分)が平らで広さがあれば炭を自在に配置して火加減を調整することができます。これは例えば塊肉を焼く場合などには、網の高さの調整よりも重要です。

クールスパイダープロはサイズにバリエーションがありますが、僕は大きめのL(エル)を使用しています。このサイズだとある程度大きな肉にも対応できるので、スライス肉から塊肉までオールマイティに幅広いBBQに使えます。なお、上の写真にある取っ手付きの焼網は僕が鉄工所に特注したもので、コンロの付属品ではありません。普通のBBQであればコンロ付属の焼網でもいいのですが、塊肉とか重さのある材料を焼く時には、重さに耐える頑丈な焼網があると重宝します。この手のヘビーデューティーな焼網は最近は特注しなくてもホームセンターで手に入るようです。またクールスパイダープロLには下から風を送るファンが付いたタイプも登場しています。僕はまだ使ったことはないのですが、興味がありますね。

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持ち運びに便利な古参兵、ユニフレームのBBQグリル

20年以上も愛用しているユニフレームのBBQグリル。コンパクトで持ち運びが便利なのが何よりいい。

次に紹介するBBQグリルはユニフレームのBBQグリルです。このグリルはもう20年以上も愛用している僕のお気に入りの品です。箱には特に製品名がなく、ただBBQグリルと書かれています。このグリルの特徴は写真ではよくわかりませんが全体がV字状の形で(下が細い)、全体を折りたたんでコンパクトに収納できることです。ただ幅は50㎝あるので、家族等の小グループのBBQであれば、この1台で十分機能します。V字状なのでロストル部の幅は一般的なグリルよりも狭くなっています。

前のクールスパイダープロのところで書いたように、ロストル部は幅が広い方が炭火の調整には適していますが、一方でコンパクトに収納するのが難しくなります。このグリルの魅力はコンパクトにたたんで収納できるので、持ち運びがとても楽なことです。特に荷物が多めのキャンプ(釣りとか)の際には、車の荷室のスペースを取らないので本当に重宝します。意外ですが、同じようなコンセプトの製品は僕の知る限りではあまり見かけません。こうした独自性から、このユニフレームのグリルはユニークかつ傑作BBQグリルの一つだと僕は思っています。

ソロキャンプにも最適なユニフレームの「ユニセラTG-Ⅲ」

ユニフレームの「ユニセラTG-Ⅲ」。最近ブームのソロキャンプにも最適なコンパクトグリル。

 

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次も続けてユニフレーム社の製品「ユニセラTG-Ⅲ」。このグリルは縦横が315ⅹ250(㎜)の超コンパクトサイズのグリルです。最近ブームのソロキャンプに最適なサイズかもしれません。このグリルも折りたたんで、コンパクトなサイズに収納できます。この分解収納性はユニフレームの得意なところなのかもしれません。僕は調理のしやすさからソロキャンプでも、少し大きめのグリルを持ち歩くことが多いのですが、この小さいユニセラTG-Ⅲの方が最近のソロキャンプでは絵になる気がします。大きい塊肉をドカッと焼くのもいいですが、こういう小さなコンロでシンプルに、さくっと調理をするのも悪くありません。

TG-Ⅲには熱効率を良くするセラミック製のパネルが付属しています。このパネルの働きから少ない炭でも調理がしやすく、また本体から発する熱放射が小さくなるようです。この特性もあって、僕はこのコンロを野外よりも主に室内で焼き鳥を作る時などに使っています。別売りでおでん鍋や焼鳥台、グリルプレートなんかも発売されていて、なんか大人のままごとセットみたいなところがとてもいいです。

世界のベストセラー、Weberの「オリジナルケトルチャコールグリル」

Weber「オリジナルケトルチャコールグリル57cm」。米国で最もポピュラーと言われる定番グリル。

次のグリルは米国Weber社のオリジナルケトルチャコールグリルです。このグリルは米国で最もポピュラーなBBQグリルと言われています。実際、ネットやYouTubeで米国のBBQサイトやBBQ動画を見ると、このグリルが頻繁に登場します。また、このグリルを使ったBBQレシピも数多く紹介されています。僕がこのグリルを買ったのも、米国で買ったBBQレシピ本の通りに調理ができるというのが理由の一つです。もちろんグリルそのものも機能的です。特に5kg位までの塊肉をアメリカンBBQの手法で調理するには最も適していると思います。

Weberケトルグリルの内部。炭の出し入れ(長時間を要する塊肉調理では必須)がしやすいように焼網の両側が上に開く。炭を左右に分配配置できるチャーバスケットは間接(インダイレクト)調理にとても便利。

グリルの構造は比較的シンプルです。焼網の両側が上に折りたためるようになっているのは炭を足すためですが、調理時間が時には半日にも及ぶ塊肉の調理には便利な機能です。塊肉の調理では肉を直接火に当てない間接(インダイレクト)調理を用いますが、アクセサリーのチャーバスケットは間接調理のために炭を分配配置するのにとても役立ちます。またケトルグリルと言えば本体に乗る蓋が特徴ですが、この蓋によって米国式BBQでポピュラーなスモーク(燻煙)調理が可能で、またその際の火力調整も容易に行えます。

全体としてWeberのケトルグリルはやはり米国式のBBQに適しており、これ一台で米国式のあらゆるBBQレシピに対応できます。一方で写真を見てもお分かりのように日本式のスライスされた肉を使う焼肉にはあまり向かないというか、あえて購入する必要はないと僕は思います。

日本で販売されていないので米国から直輸入した専用ロティサリー。ケトルグリルの世界が大きく広がります
ロティサリーで焼く塊肉。肉汁が程よく滴り落ちていく。スモークを効かせてもよい。

 

Weberのケトルグリルには専用のアクセサリーやアタッチメントの類が豊富にあります。その中で僕が最も重宝しているのはケトルグリル専用ロティサリーです。ロティサリーは最近になって一般にもかなり知られるようになってきましたが、肉を串に刺してぐるぐると回す機械のことです。ケトルグリル専用のロティサリーは残念ながら日本では販売していないようですが(僕は海外のサイトを通じて購入しました)、塊肉やチキンの丸焼きなんかを調理するのに大変便利です。取り付けも簡単ですし、これがあると大袈裟でなくケトルグリルの価値が倍になると思います。

Weberケトル用のピザ窯キット。手軽に本格的なピザが焼ける。温度を上げるには炭に加えて薪を燃やす。

 

もう一つWeberグリル用におすすめの品はピザ窯キットです。このキットも海外のサイトから購入しましたが、最近は国内でも手に入るようです。ホームセンターでも手軽なピザ窯キットが売られているので、必需品というわけではありませんが、もしケトルグリルを持っているのなら買って損はないと思います。ピザを焼くには中の温度を300-400℃くらいまで上げる必要がありますが、炭に加えて薪を燃やすことでこの温度を確保できます。温度が十分高ければ本格ピザ店同様に1‐2分で美味しいピザが焼き上がります。

米国式BBQグリルの王道、「オフセットグリル」

米国式BBQでポピュラーなスモーカー型グリル。左の副室で炭や薪を燃やして主室の肉を調理する。

 

スモーカーは数時間じっくりと調理するので火加減が難しい。肉に刺すワイヤレスの温度計がいい働きをする。

米国式BBQのもう一つの王道がオフセットグリルです。この型のグリルは日本では普段ほとんど見かけない、ややマニアックなグリルといえるでしょう。僕が購入したものは、Char-Broil製の「オフセットスモーカー」ですが、扱いやすく場所も取らない小型の優れものです。一般的なサイズのオフセットグリルはもっと大型のものが多いので、それまでは使用頻度と収納を考えて購入するのをずっと躊躇していました。

燻煙=スモークというのは米国式(アメリカン)BBQの大きな特徴の一つだと思います。実際、BBQレシピ本やYouTubeのBBQ動画を見ると、米国人が燻製味に相当のこだわりを持っていることがよくわかり、ちょっとやり過ぎかと思える位まで煙で肉が色付いています。スモーク調理自体はWeberのケトルグリルでも可能ですが、スモークという点に絞ればスモーカーグリルとも呼ばれるオフセットグリルの方が機能的だと思います。

スモークは基本的に数時間をかけてじっくりと仕上げる、いわゆるスロークッキングなので火加減の調整がいささか面倒です。オフセットグリルの場合は小さい方の副室で炭や薪を燃やし、主室の温度を適度にキープしながらスモークチップで煙を断続的に供給します。温度調節は副室の窓と主室の煙突の蓋で行うのですが、これは慣れると意外と簡単にできます。ただ適切な温度は低過ぎても高過ぎてもだめなので、肉と主室の温度を常にモニターすることは必要です。この温度のモニターにはBBQ専用温度計(通常2個のセンサーを持つ)がとても役立ちます。煙を眺めながらビールやバーボンなんかを片手にゆったりと肉の仕上がりを待つ。こんな時間は誰にとっても素晴らしいひと時となることは間違いないでしょう。肉温度計に関しては最近はコードレスで、ブルートゥースでスマホアプリと連動できるような便利なものが現れています。僕のお薦めは「Meater」という米国のものです。

国産大型BBQグリル「丸焼きくん」

僕が所有する最も大型のグリル「丸焼きくん」。手動式だがロティサリーも付属している。

 

次のグリルは大型のBBQグリルをいろいろ探した末に購入した、大阪の(株)カネタから発売されている「スライドグリルスター丸焼きくん」です。

このグリルは鉄工所が自ら企画制作した丁寧な作りと、購入当時は珍しかった10kgの肉塊まで焼ける仕様というコンセプトが僕のニーズと合致したのです。

ロティサリーで鶏と豚肉の塊を一度に焼く。大型なので大人数のBBQに活躍する。

 

丸焼きくん」はグリル部が約80 x 50(cm)あるので大人数のBBQパーティにも1台で対応できます。また手動式ですがロティサリーが付属しており、丸鶏を2‐3羽一度に丸焼きにすることができます。ロティサリーは電動で常時くるくる回っているイメージがあるかもしれませんが、実際は手動でも10-15分に1回程度の間隔で少しづつ回転させれば手間はさておき機能的には十分に事が足ります。「丸焼きくん」のロティサリーには星形のストッパーが付いていますが、これは大変使いやすく、1コマで5分の1回転ずつ容易に肉を回転させることができます。

下の写真は「丸焼きくん」で子豚を丸焼きした時のものですが、これ位のサイズの肉までは問題なく対応が可能です。これ以上大きいサイズの肉を焼く場合は、移動式のBBQグリルよりも、特設の仕掛けを作った方が良いと思います。「丸焼きくん」は大きさの割には分解と持ち運びが容易で、家だけでなく移動式のグリルとしても普段から結構出番が多いグリルです。

子豚の丸焼き。このサイズの肉までは対応が可能。この時はグリルの上をトタン板で覆い熱効率を上げた。

 

焚き火用グリル「ザ・ファイヤースタンド」

カルフォルニアパティオ「ザ・ファイヤースタンド」。キャンプの焚火での使用をコンセプトとしたグリル。

 

カリフォルニアパティオというブランドの「ザ・ファイアースタンド」は、その名の通り焚火に使う前提のグリルもしくはグリル台で、他のグリルとはややコンセプトの異なる製品です。僕は最近薪で作るBBQに興味が湧き、何か丁度良いグリルはないかとネットで探して買ったものです。BBQというと炭火の直火というのが一般的ですが、同じ直火でも炭を使わずに薪で焼くという方法もあります。BBQの歴史からすれば、実はこちらの方が本家本元といえます。

欧米の高級なステーキハウスでは薪で焼くステーキを売りにする店が多くあり、有名なイタリアのステーキ、ビステッカ・ア・ラ・フロレンティーナも薪で焼くのが本来の形だそうです。薪に用いる木の種類も重要であり、上質な薪から出る風味ある煙が肉の味を引き立てるといわれます。この考えからすれば、米国式スモークというスタイルのBBQは、肉を薪で調理した開拓時代の延長線上にある、米国人のソウルフードなのかもしれません。

薪で焼くBBQは原初的というか、根源的なものに違いありません。しかし、それが単純かと言われると逆に調理のハードルは相当高いと思います。薪は火力が強くコントロールが難しいですし、風味付けには様々な木の特性を十分理解する必要もあります。さらに薪は良質なものを手に入れなければ逆効果にもなりかねません。ローカルな木の風味を活かしたローカルなBBQが出来たら最高だと思います。

LPガスボンベを使うコールマン「ロードトリップグリル」

コールマンの「ロードトリップグリル」。僕の場合は写真の極厚(9mm)鉄板専用のグリル。

 

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さて、最後に紹介するグリルはコールマンの「ロードトリップグリル」です。このグリルはキャンプ用のLPガスボンベ使用です。僕の場合、このグリルは写真にある厚さ9㎜極厚鉄板専用に使っています。この重量16㎏の極厚鉄板だと本格的な鉄板焼きが可能で、肉や魚はもちろんですが、いわゆる粉ものを焼くとその違いが際立ちます。

僕は大小サイズの異なる2枚の極厚鉄板を持っていますが、写真のものは大きい方で60 x 35(cm)、この大きさだと調理するにも十分な広さがあります。鉄板の場合火加減の調整もあって炭火グリルは不向きです。「ロードトリップグリル」はサイズがこの鉄板にちょうど良く、また持ち運びもできるので、専用に使っていまあす。この極厚鉄板は滋賀県の鉄板工房M.M.Factorさんで手に入ります。サイズもいろいろあるので、一家に一枚是非お勧めの品です。

BBQグリルに関してはようやく一段落してきましたが、次は数年来構想を温めてきた石窯を使ったBBQにトライしようと思っています。最近部材の購入も終え、今秋いよいよ製作に入ります。その詳細は近いうちに改めてご報告しようと思います。

2022年5月追記:最近買った新しいカマド型グリルについては別の記事で紹介しています。こちらも是非ご一読ください。万能BBQグリル「KAMADO JOE」で作るポルケッタとピザ 僕の理想のBBQグリル!カマド・ジョーが我が家にやって来た!