海外BBQ動画は僕らの知らないBBQメニューの宝庫
北海道は寒い日が続いています。厳冬のBBQというイベントもありますが、僕個人はあまり積極的な関心はありません。最近とみに寒さに弱くなってきたのが理由の一つですが、気温が低いとBBQの調理そのものが難しいというのが基本的な理由です。こんな時はYouTubeなんかで、新しいBBQメニューを研究する方が良いかもしれません。
最近は野外料理やBBQがちょっとしたブームなので、ネットには様々な動画がアップされています。その中で僕がお薦めするのは海外のBBQ動画です。その魅力は先ず料理のスケールが違うことです。僕の大好きな塊肉をはじめ、使う材料の量が半端ではありません。これを見るとBBQの魅力の一つは日常と異なる料理のスケールにあることが実感できます。次はやはりBBQの本場だけに肉料理のレシピが豊富で、普段我々が気付かないユニークな調理法が学べることです。
エンタテイメントとしても楽しめる「BBQ Pit Boys」はアメリカンBBQのエッセンスが超満載
海外のBBQ動画と言えば、米国の「BBQ Pit Boys」が有名です。BBQファンなら知る人も多いのではないでしょうか。登場するのは先日議事堂占拠事件を起こしたトランプ支持者を思わせるような髭面のマッチョな男たちです(女性は見たことがない)。彼らが様々なBBQや肉料理を毎回作るのですが、結構笑えるというか、ある種エンタテイメントとしても面白いサイトです。そのレシピは肉に加えて、ベーコン、卵、チーズなんかをこれでもかというほどに大量に使い、カロリーや健康などは一切無視しています。それどころか、よく見ていると時々健康志向で有名な料理人の名を挙げて、彼彼女らを揶揄するような台詞まではいています。その徹底ぶりは、ある意味爽快でもあります。
エンタテイメントとしても楽しめる「BBQ Pit Boys]ですが、YouTubeの動画リストは材料別に分けられており、そこには代表的なアメリカンBBQメニューがほとんど網羅されているので、とても実用的でもあります。
この動画で気になるのは登場する男たちが使っている所謂ブッチャーナイフです。包丁、フライパン返し、ナイフ、フォークの代わりとして、これ一つで何でもやってしまい、それがまた絵になっています。オフィシャル品もあってネットで手に入るようですが、そちらは少々高価なので、僕の場合はネットで別に見つけた似たようなブッチャーナイフを購入してBBQ Pit Boys気分に浸っています。
南米式BBQの魅力を伝えるアルゼンチン発の動画「Locos X el Asado」
「Locos X el Asado」でロコスポルエルアサドと読みます。スペイン語で「焼肉に夢中」という意味です。我々から見て地球の裏側にある南米は世界最大の焼肉王国であることは、このブログの初稿で書きました。僕自身のBBQや焼肉も南米式が出発点となっています。
「Locos X el Asado」は南米の中でも最も肉食文化が強いアルゼンチン発の動画サイトです。北米と南米のBBQには結構違いがあり、米国のBBQサイトを見ていても「珍しい南米風のBBQ」のような形で動画が紹介されていることがよくあります。
北米と南米では何が違うのか。僕は南米の方がよりシンプルでワイルドなBBQであるということではないかと思います。例えば味付け。米国ではBBQソースや肉のマリネードを好み、それに関するレシピ本もたくさん売られています。一方南米では味付けは塩と胡椒ベースのシンプルなものが好まれます。肉そのものに関しても、同じように塊肉を用いるものの、南米式はよりワイルドなものが好まれます。例えば南米では最もポピュラーなコスティージャ(牛の骨付きあばら肉)は米国のBBQではほとんど見ることがありません。また南米では内蔵肉もよく食べますが、米国式のBBQレシピにはめったに内臓は登場しません。南米では薪を用いたワイルドで大掛かりなBBQが多いのも特徴でしょう。
「BBQ Pit Boys」と「Locos X el Asado」を見比べると、こうした違いがよくわかります。南米式は魅力的ですが、材料の肉の調達が結構難しく(例えば骨付きのあばら肉)、日本で同じものをBBQで作ろうとすると、先ず材料の面でハードルが高い場合があります。
メキシコ人料理家のBBQレシピはユニークアイデアの宝庫
次は「La Capital」というメキシコ人料理家の動画サイトです。北米(米国)式、南米式という観点で2つの動画サイトを紹介しましたが、この「La Capital」では中米メキシコ的要素が加わります。メキシコ料理といえば、とてもスパイシーであるとともに、アボカドやトマトのような野菜もよく使います。このサイトを運営しているメキシコ人料理家Oscar Meza氏は現在米国在住のようですが、こうしたバックグラウンドがBBQレシピにも生きていて、北米と南米がうまくミックスされたところに、メキシコ料理のスパイシーさや独特の調理法が加わって、BBQに限らず魅力的なレシピが数多く紹介されています。YouTubeのフォロワー数が600万を超えているのもよくわかります。(申し添えると音声はスペイン語です)
「La Capital」にはメキシコ料理の定番、トウモロコシ粉を使った無発酵パン、トルティーヤがよく登場します。トルティーヤは小麦原料の完成品がよくパックに入って売られていますが、最近はトルティーヤ専用のトウモロコシ粉もネットで良い物が手に入るので、一度粉から自分で作ってみることをお勧めします。それほど難しいものではなく、何より美味しさが全然違います。調理には生地を伸ばすトルティーヤプレスという道具があると便利です。トルティーヤプレスはギョウザの皮なんかを伸ばすのにも使えますよ。
番外編 アゼルバイジャン発?今僕が最もハマっている動画サイト
さて、最後に最近僕が最もハマっているBBQ動画サイトをご紹介しましょう。「WILDERNESS COOKING」。この動画はなんとアゼルバイジャン発のようです。我々が普段目にするBBQ動画とは全くレベルというか、内容が違います。いきなり羊やヤギを皮つきのまま解体し始めたりして(普通は衛生管理上できないと思いますが、ここでは問題ないのかもしれません)、それだけに映像はとても斬新です。しかも調理しているおじさんのキャラがなかなかいいのです。最初の「Hello, friends」と最後のきめ台詞「Super」だけがなぜか英語で、途中はなんか現地語のようなものをつぶやいています。基本的には寡黙な人なのですが、ナイフを持つと、ちょっと怖いくらい迫力があるおじさんになります。料理は薪やデカ鍋、時には地面に大穴を掘ったりもする正真正銘のアウトドアでの調理で、毎回20-30人分はあろうかという量を一度に作ります。とにかく論より証拠で一度ご覧ください。きっと楽しめると思います。
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