燻製は秋の愉しみ、鶏ささみとホタテの自家製スモーク

燻製作りに最適な季節になりました

 

いつの間にか十勝の空も雲も秋に変わりました。

BBQのようなアウトドア料理が好きな人は、ほぼ例外なく燻製=スモーク作りも好きではないかと思いますが、如何でしょうか。かくいう僕も燻製やスモークは作るのも食べるのも大好きです。秋になって気温が下がると燻製作りに最適の季節になります。僕は毎年秋になるとスモーカーを引っ張り出して何回か燻製作りをします。他の時期にはあまり作らないので、僕の中では燻製は=燻製なんですね。以前は秋になると豚を仲間と一頭買いしていた時期もありました。みんなでソーセージやハム・ベーコンを大量に作ったものです。とても楽しい年中行事だったのですが、豚の購入先が飼育を止めてしまって残念ながら今は行っていません。冬の保存食としてハムやソーセージ、塩漬け肉を作ったヨーロッパの食文化を考えても、秋は燻製の季節というのは間違いありません。

初めてハムとベーコンを作った南米パラグアイの田舎

このブログの初回で書いたように、若い頃、僕は青年海外協力隊で南米のパラグアイという国に派遣されていました。世界でもトップクラスの肉食文化を持つ南米、そこで僕のBBQライフのルーツがあるわけですが、実は初めてハム、ベーコンを作ったのもこの時でした。

日曜日に庭先で豚を解体する。日本では見られない光景。

意外なことにパラグアイでは過程で肉を燻製してハムやソーセージを作る文化は一般的ではありませんでした。これは高温多湿な亜熱帯の気候と、田舎では冷蔵庫も普及していないない環境のせいだと思います。燻製は一般的ではなかったものの、僕が住んでいたパラグアイの田舎では家畜が放し飼いされ、村人は必要に応じて鶏や豚を自ら屠殺、解体して暮らしていました。日本では食品衛生管理上あり得ない光景ですが、それだけに僕には興味深くもありました。豚は血も含めて余すところなく使われていました(血はソーセージに使う)。日本と違い、こうした新鮮な枝肉が簡単に手に入るので、パラグアイでも気温の低下する冬にハムとベーコンを自分で作ってみようと思い立ち、食品加工に詳しい他の協力隊員に要領を聞きながら写真のようなスモーカーを自作してベーコンを作ったのが僕の燻製生活の始まりでした。肉は新鮮だったので、今思えばハムを作っても添加物無しでも結着が良かったように思います。

南米時代に初めて作ったスモーカー。シンプルながら今でも使えそう。

スモーカーと燻製レシピ

燻製というと難しいと考える人が多いようですが、奥が深いのは確かでも、シンプルな燻製であれば案外簡単に作ることが出来ます。今回は鶏ささみとホタテを使い、そんなシンプルな燻製を作ります。

愛用のアールテック・サービス「ツインパネルスモーカー」

僕が普段愛用しているスモーカーについては以前のブログ記事「僕のお薦めスモーカーで作る野生ニジマスと鮭の燻製」に詳しく書きました。広島のアールテック・サービスさんの「ツインパネルスモーカー」というスモーカーなのですが、本格的な機能を持つと同時に使い勝手が良くお薦めの品です。ただ、燻製はシンプルなものであればスモーカーがなくても作れます。趣味で少し本格的にやる場合でも、最近は様々なタイプのスモーカーがホームセンターなどでも売っているので、材料や方法に合わせて適当なものを選ぶとよいと思います。

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燻製のレシピは本やネットの記事・動画にもあふれています。ただ同じ素材を使う燻製レシピでも使う香辛料や手法に結構違いがあります。最初はちょっと戸惑うのですが、これは実際のところ個人の好みによるアレンジの差なので、あまり気にしない方が良いと思います。難しく考えずに一度それぞれのレシピ通りに作ってみてから徐々に自分流にアレンジを加えていくのが良いと思います。僕が普段参考にするレシピ本は、燻製道士さんの「男の手作り燻製」(世界文化社)で、これは恐らく燻製の好みが本の内容と一致するからだと思います(今回も参考にさせて頂きました)。自分と嗜好が一致する本やサイトを探すとよいでしょう。

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鶏ささみのスモークジャーキー

さて、最初は鶏ささみのスモークジャーキーです。ささみ肉は癖がないので基本的に扱いやすい素材です。レシピ本によくある標準的なささみ用のソミュール液に漬け、シンプルに燻製すると、スーパーでもよく見る市販の鶏ささみスモークの味がそのまま再現できます。今回は予め肉を切り開いて少し棒でたたいてからソミュールに漬けました。こうすることで肉に味が染み込みやすくなり出来上がりのコクが増します。ソミュール液には醤油・みりん・酒・水をベースに、ショウガ・ニンニク・砂糖・コショウ・レッドペッパーを加えました。漬ける時間は3時間くらいです。

ソミュール液から出した鶏ささみを1時間風乾します。

ソミュール液から出したら約1時間外気で風乾します。

タレをよく染み込ませるのがポイントです。淡白な味がやや濃厚に。

風乾後はスモーカーに移して温乾(まだ燻煙材は入れない)します。温度は60-70℃です。この60-70℃というのは最もポピュラーな燻煙法である温燻で使う温度です。この温度が維持できるスモーカーがあると燻製のレパートリーが広がります。僕のスモーカーの場合、蓋を閉めて、底に置いた電熱器を300W(キャパの半分)にセットすると、この温度がほぼキープされます。温度が上がり過ぎる場合はスモーカーの窓を開けて熱を逃し、温度が足りないと電熱器の位置を高くするなどして温度を微調整しています。今回は使いませんでしたがサーモスタッドを使うと小さめのスモーカーでも温度管理がしやすくなります。

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先ず60-70℃で1時間温乾します。電熱器は300W。

1時間の温乾を終えたら燻煙を開始します。燻煙は鉄皿にいれたチップを電熱器で直接熱してもできますが、今回はより簡単なスモークウッド(ヒッコリー)を使いました。木の種類は好みなのでレシピに拘らずにいろいろ試してみるのが面白いと思います。

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スモークウッドはヒッコリー。

約1時間燻煙して完成。醤油を多めに使っているので見た目も実際も濃いめの味に仕上がっています。ささみは淡白なのでこのくらいが酒の肴には適していると思います。野菜と和えたり、洋風サラダに加えても美味しいです。

鶏ささみジャーキーの完成。醤油ベースの濃い味付けが酒に合います。

ホタテはシンプルな味付けで

次はホタテです。鶏ささみ同様に先ず1時間風乾します。味付けはささみと違ってあまり強くせず、日本酒をさっと降りかけ、後は塩とコショウで味付けしてクッキングペーパーで水気を取りました。

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塩・コショウで味付けしたホタテを1時間風乾する。

風乾を終えたらスモーカーに移して直ちに燻煙します。鶏ささみと同様に60℃で1時間、燻煙材はヒッコリーのスモークウッドです。

風乾したホタテをスモーカーに。風乾は常温でしっかりした方が良い。
燻製1時間後。程よく色付きました。

1時間で燻煙終了。ホタテはしっかりと調理されています。ホタテの場合、あまり極度に火を入れ過ぎない方が良いと思います。また出来上がった燻製ホタテをエクストラバージンオリーブ油や太白ごま油に漬けて3-4日置くと風味が良いオイル漬けになります。

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ホタテは燻製後にオイル漬けにすると一段と美味しくなります。

秋の夜長は自家製スモークをお供に

自分で作る燻製は風味も強く個性的で、その過程も含めた満足感があります。秋の夜長を過ごす格好のお供になりますよ。

燻製に合うのはやっぱりウイスキー。ハイボールが止まらなくなります。