今年も行者ニンニクの季節がやってきました
北国にも春がやってきました。そして春の愉しみと言えば、何を置いても新鮮な山菜を頂くことです。タラの芽、ウド、タケノコ(ネマガリダケ)、ワラビ、フキ、これから1-2か月は次々と現れる山菜の季節ですが、その最初を飾るのが「行者ニンニク」です。
「今年も行者ニンニクがたくさん採れました」とSNSで書いたら、「本州では高地か山岳地帯でしかない山菜なので羨ましい」というコメントを頂きました。北海道では(あるところには)平地でも普通に見られる山菜なので、「北国に住むものの特権」にちょっと嬉しくなります。
僕の場合、採り立ては大抵バター炒めか卵とじでシンプルに頂きます。これは安定の美味しさです。一部は醤油やめんつゆ等に漬け、残りの大半は真空パックで冷凍して後日のジンギスカンなどに使うために保存します。今年は初の試みで、甘い九州醤油に生のまま漬け冷凍してみました。行者ニンニクを生のまま漬けて冷凍すると、強く凍らず程よいシャキシャキ感を感じる固さに仕上がります。この味と食感がとても良いのです。
行者ニンニクそっくりの北米の「Ramps」とは何者?
以前、YouTubeの海外の野外料理動画を見ていると、ある画面に目が止まりました。
場所は海外ですが、明らかに見た目は行者ニンニクです。動画の中では「Ramps」の名で紹介されていました。基本的な調理方法は日本と同じようですが、ジェノベーゼソースのようなペーストにしたり、ハーブバターのようにバターと混ぜ合わせたりするあたりが「洋風」で若干異なっています。
気になって調べてみるとRampsの学名は”Allium tricoccum”北米東部に自生する行者ニンニクの仲間のようです。因みに行者ニンニクの学名は”Allium victorialis”で、こちらはユーラシア大陸に自生する種類だそうです。
さらに調べると、このRampsは米国東部では人気の山菜で、こんな記事も発見しました。「正体はあの山菜!春のニューヨークに吹き荒れる、“ランプの狂乱”って?」ニューヨーカーも夢中になる山菜らしいです。
行者ニンニクでアメリカンテイストのBBQハンバーガーステーキ
「Ramps」「Recipe」で検索するとRampsを使った様々なレシピが紹介されています。もちろん何れも行者ニンニクにそのまま応用できそうなものばかりでいつか試してみたいものです。そんな中で僕が注目したのは、ある動画で見た、牛ひき肉と採り立て新鮮なRampsをミンサー(肉挽き器)で豪快に挽いて作る野性的なハンバーガーステーキでした。「これは是非作ってみたい。」ということで、今年初採りの行者ニンニクを使って早速挑戦してみることにしました。
牛肉と行者ニンニクをミンサーで挽く
今回の肉は牛肉100%で作ります。スーパーで適当な肉を探した結果、脂肪の少ない赤身のOGビーフもも肉約400g、ちょっと脂肪が入った国産牛のもも肉約200gを合わせて使うことにしました。
先ず塊肉を適当に(3-5cm角)カットします。これはミンサーで挽きやすくするためですs。
ミンサーの上から肉を入れて挽きます。今回は「ワイルドハンバーガーステーキ」を目指したので、あえて粗い1回挽きで仕上げました。もう少し普通のハンバーグとして作るならもっと細かく挽く方が良いと思います。今回はあくまでワイルドなアウトドアバージョンです。
肉を挽いたら続けてミンサーに行者ニンニクを投入します。きれいに細かく刻まれていきます。細かく刻まれることで行者ニンニクの香りが一段と強くなっています。これぞワイルドクッキング!
繋ぎは最小、味付けはシンプルに
次は味付けです。今回は繋ぎもあまり使わないでシンプルに行きます。塩と黒コショウ、卵、そこに少し小麦粉を加えました。ちょっとシンプル過ぎかもしれませんがあくまでワイルドということで。
焼き方はじっくりと焦げないように。
1個300g以上はあるビッグハンバーガーステーキを焼きます。温めたスキレットに油を引いて肉を投入します。大きいので火加減は強くなり過ぎず、じっくり焼くのが肝心です。焼いていくと流石に繋ぎが弱くて少し割れてきました。行者ニンニクの量も半端ではないので一層割れやすくなっています。
これぞワイルドハンバーガーステーキ!!
ちょっと割れましたが、火が通りました。見た目はお世辞にもきれいではありませんが、果たして味はどうでしょうか。
いや、美味しいです。ビーフ100%が生きてます。肉汁たっぷりのハンバーグも良いですが、特に野外料理ではこのくらい肉感が前面に出るのも悪くないと思います。そして、そこに行者ニンニクの旨味が加わって・・・ジンギスカンとも一味違う肉と行者ニンニクのコラボレーション、もう乾杯するしかありません。
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