メキシコ料理に欠かせない石の料理道具
このブログで度々トライしているタコスやトルティーヤを始めとする伝統的なメキシコ料理には石製の道具が使われてきました。例えばトウモロコシを挽く際にはメタテと呼ばれる平たい石皿とマノと呼ばれる石の棒が使われます。数多いメキシコ料理のサルサ(ソース)作りにはモルカヘテと呼ばれる石臼が使われます。石の調理道具は「擂る」と「潰す」をバランスよく同時に行い、また現代の調理道具では出せない味や風味を作り出します。これが特にメキシコの伝統料理作りには欠かせないのです。
ネットで見つけたお手頃価格の石臼を買ってみました
僕は以前からメキシコ製の本格的なモルカヘテを手に入れたいと思っていたのですが、日本では良いものがなかなか売られておらず、たまにあっても値段が高いので購入をあきらめていました。石製なので重さもあり送料も高くなるようです。
ところが先日Amazonで値段も大きさも手頃な石臼を発見しました。本場のモルカヘテではありませんが必要十分な機能は満たしているようです。本格的なモルカヘテは結構サイズが大きいのが難点で、これが価格が高くなる理由の一つであり、また使う頻度や置く場所を考えると購入を躊躇する原因でもありました。
到着した石臼はメキシコ人並みに日常的に料理に使うのでなければ、保管も含めてちょうど良いサイズでした。
石臼の初仕事はアボガドを使ったグアカモーレ
なぜメキシコ料理に石臼が必要かと言えば、それは調理の際に材料を擂り潰すことが重要なファクターになるからです。この「擂る」と「潰す」が同時に出来ることはメキシコ料理ではとても重要です。昔タイの土産物屋でそれらしい木製の臼を買いましたが、材質が柔らか過ぎて硬い材料だと擂ることも潰すことできませんでした。実際問題、たとえ材料が柔らかい場合でも、臼の材質が柔らかければ上手く擂り潰すことは難しいと思います。
今回は石臼の初仕事としてメキシコ料理を代表するソースであるグアカモーレを作りました。グアカモーレの材料はパクチー、タマネギ、青唐辛子、アボガド、そして塩とライムを調味料に使います。材料を粗く刻んだ後は石臼の中で一緒にすり潰します。石臼だと仕上がった材料の形状や大きさが微妙に異なり、その結果独特の味わいが作り出されるようです。石臼の初仕事は僕的には合格点です。
メキシコ風アメリカ料理「ファヒータ」を作る
グアカモーレが完成したので、次はメインディッシュに「ファヒータ」を作りました。ファヒータを作るのは初めてです。ファヒータはメキシコ風アメリカ料理(テクス・メクス料理)の代表格、つまりはアメリカ風にアレンジされたメキシコ料理です。本来のレシピでは牛ハラミを使うとありますが、実際は材料も調理法も様々あり、マリネした肉を野菜と炒めてトルティーヤと食するというあたりが最大公約数になっています。
今回のファヒータはマリネードした牛肩ロースと鶏むね肉を先ずスキレットで焼き、肉を一旦取り除いた後でタマネギ、パプリカ、青唐辛子を炒めてから肉を戻し、最後にパクチーを加えました。
肉を漬けたマリネード液はオリーブオイル、赤ワインビネガー、ライムジュース、ディジョンマスタード、すり下ろしたニンニク、パプリカ(粉末)、クミン(粉末)、塩コショウを混ぜ合わせたものです。20-30分間肉を漬け込み、余ったマリネード液は野菜と一緒に炒めた際の味付けに使いました。マリネードにはメキシコの乾燥唐辛子を加えるとさらに風味が増すようです。
石臼でメキシコ料理の味も見栄えも進化しました
最後にメキシコ製のインスタントマサ粉を使ってトルティーヤを焼きました。トルティーヤの焼き方については過去記事をご覧ください。(トウモロコシを挽いて国産タコスに再チャレンジ 、モチキビトウモロコシを使った本格トルティーヤとタコス)
全て完成した後が下の写真です。石臼のグアカモーレは味だけでなく見栄えも良いですね。ファヒータは肉を厚めにするとボリューム感が増し、作り方も簡単なのでキャンプ料理にお勧めです。辛みの強い青唐辛子を使うと激辛スパイシーに味変できます。ファヒータには小麦粉で作るフラワートルティージャを合わせるのが定番らしいですが、コーントルティージャでももちろん何の問題もありません。パンでもOKです。
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