深まりゆく秋、野外でのんびりベーコンを作る
前回の記事では鶏ささみとホタテを燻製にしました。どちらも比較的手間をかけずに簡単に作れ、しかも美味しい。燻製によく合うウイスキーのハイボールが進みました。秋はやっぱり燻製の季節。今回は久しぶりにベーコンを作ることにしました。前回作ったホタテや鶏ささみと異なりベーコンは塩漬けに時間を要します。しかし燻煙自体は前回とあまり変わらない燻製の基本の一品です。今回も野外でのんびり作ることにします。
ベーコンに使うのは豚バラ肉です。好みもあると思いますが、僕はたいてい脂が多いものを選びます。たっぷり煙を吸ったベーコンの脂で作る料理がまた美味しいからです。豚肉は上等な物を使うほど脂も良く、ベーコンもまた美味しくなります。ただ、今回使ったスーパーで普通に売っている豚肉でも十分美味しいものが出来上がります。
ベーコンは最低1週間の塩漬けが必要
ベーコン作りは思い立って直ぐには出来ません。下準備として先ず塩漬けが必要で、今回は肉の重量の3-4%の塩を全体にすり込み1週間寝かせました(塩漬けは2週間くらいした方が美味しくなるという人もいます)。今回は塩に加えてブラックペッパーとレッドペッパーを一緒に肉にまぶしました。そして風味付けのローリエの葉を加えてジップロックの袋に入れ、時々表裏を返しながら1週間冷蔵庫で寝かせました。
1週間後、肉を袋から取り出して水で洗い、さらに一晩水に漬けて塩抜きしました(塩味が強い方が好みなら塩抜きは省けます)。塩抜き後はピチットシート(食品用脱水シート)に肉を包んで約36時間脱水しました。燻製全般に言えることですが、材料に水分が多いと燻煙後に酸味が出ると言われます。また表面に水分が残っていると燻煙時の煙の乗りが悪くなるとも言われます。いずれにしても燻煙前に乾燥処理を施すことが必要で、今回は先ずピチットシートを使い、次にシートを外し裸のまま冷蔵庫で表面を6時間乾かし、仕上げに野外で2時間くらい風乾してから燻煙に移りました。
燻煙時間は60℃で2時間、特に技は要りません
全ての前処理が終わったら、後はスモーカーに入れて燻煙するのみです。この場合は温度が60-65℃くらいの「温燻」にします。僕はいつも肉にタコ糸を付けて吊るしますが、網に乗せても構いません。前回は燻煙材にスモークウッドを使いましたが、今回はヒッコリーのチップを使いました。これをトレイに入れ電熱器の上に乗せると直ぐに煙が出てきます。
今回特に必要というわけではなかったのですが、念のためサーモスタットもセットしました。サーモスタットがあるとスモーカーの中の温度が設定値以上になると自動的に電熱器のスイッチが切れ、過熱による材料の変質を防ぐことが出来ます。温度に敏感な材料を燻煙する時は結構役に立ちます。
スモーカーを眺めながら焚き火でカレーうどんを作る
燻煙時間は2時間です。この間ランチにカレーうどんを作って食べることにします。折角なのでファイヤーピットに火を起こしました。日中でも気温が低くなってきたので火の温もりが嬉しく感じます。こんな季節に最適な野外料理がカレーうどんで、僕が秋に作る定番メニューの一つです。
カレーうどんの具は何を入れてもいいのですが、今回はタマネギ、ニンジン、たっぷりのキノコ、鶏肉、ネギを使いました。味の秘訣は材料よりも昆布や鰹節できちんと取った出汁を使うことで、これで確実に味が良くなります。
スーパーのベーコンとは作った料理の味が全く違います!!
そうこうするうちにベーコンが完成しました。見るからに脂が満ちています。とりあえず一日置いてから何か調理に使うことにします。
翌朝の朝食に先ずベーコンエッグを作りました。ベーコンはしっかり焼いて大量の脂を出します。そこに卵を投入すると野趣あるスモーク風味が溢れるベーコンエッグが出来上がりました。朝食ならハードなパンに合いそうです。黒ビールなんかがあるともっと良いかもしれません。
次にジャーマンポテトを作りました。ジャガイモには肉と煙の風味がしっかりと染み込んでいます。やっぱり濃いめのビールが相性良い感じがします。
ベーコンは比較的簡単に作れて、色々な料理にも使えるので、燻製作りを始めるのにも最適な一品だと思います。秋から冬のこの時期の愉しみがきっと増します。
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