ドリカムの歌にもある「コクワの実」
北海道ではお盆を過ぎると大体秋の気配が漂ってくるのですが、今年は9月になっても気温が下がらず、この1-2週間でようやく秋らしくなってきました。郊外の畑では農家のジャガイモ収穫が真っ盛りです。
実りの秋ということで、先日僕の実家の敷地にあるコクワの実を採りに行ってきました。僕の実家というのは今は誰も住んでいないのですが、父親の代まで農家をしていたので敷地が広くあり(約1.5ヘクタール=4,500坪)、そこには建物だけでなくちょっとした林や、小川まで流れていいます。その敷地の中に結構立派なコクワの木があり、秋になると毎年実をつけます。
コクワというのはマタタビ科のつる性落葉樹です。サルナシと呼ぶ方が一般的なのかもしれませんが、北海道では普通コクワと呼びます。ドリカムの昔のヒット曲「晴れたらいいね」の中に「山へ行こう 次の日曜日・・・一緒に行こうよ ”コクワ”の実また採ってね・・・」というフレーズがありますよね。作詞はもちろん、僕の住む北海道十勝出身の吉田美和さんです。サルナシではなくコクワという呼び方が北海道をイメージさせる大好きな歌です。もっともサルナシではちょっと歌詞にならないかもしれません。
コクワ(サルナシ)は山のキウイフルーツ
コクワ(サルナシ)は比較的ポピュラーな木の実だと思いますが、キウイフルーツと近縁で、実際見た目も味も小振りのキウイフルーツと言って間違いないと思います。最近は栽培も行われているようで、先日出張で初めて行った福島空港のレストランでは「さるなしカレー」を食べました。ここには「さるなしソースかつ丼」なんてメニューもあり、他にジャムなども売っていました。福島では「さるなしサミット」なる催しまで開催されているようで、コクワを使った特産品作りに力を入れているようです。普段果物屋さんでは見かけませんが、ネットでは各地で販売しているようです。
山に行くと天然のコクワもありますが、特にヒグマがこれを好むので、見つけても注意が必要です。またつる性で他の木に巻き付いているので、実が高い所にあってなかなか採るのに苦労します。この点、実家にあるコクワはクマの心配もなく、また梯子を使って採れるので楽々です。
コクワ酒とジャムを作る
さて、今回は主に果実酒用に比較的若くて硬い実を中心に採ってきました。比較的柔らかい実は分けてジャム用にしました。果実酒を作るのは実は久しぶりです。以前はいろいろな山の木の実を採ってきて作っていたのですが、野生の木の実には程よい酸味があり、木の実の種類が違うと味の違いも楽しめます。今回は普通に35度の焼酎で砂糖と一緒に漬けました。
果実酒用にはちょっと熟し過ぎた果実はフードプロセッサーで粉砕し、さらに裏ごしして皮を除いてからジャムにしました。煮詰めると元の鮮やかな緑色はなくなってり、見た目はちょっと悪くなります。
コクワ酒の方は仕上がるまで2か月ほどかかるので、今は冷暗所に保存中です。ジャムは普通にパンにつけたり、ヨーグルトに乗せたりして楽しんでいます。自分だけの季節の味を作るのは楽しいですよね。
コクワと聞くと懐かしくふるさとと子供のころ山奥に入り山ぶどうと共に採取していました。昨日今住んでいるワルシャワの店で発見して買いました。もう80歳になり75年ぶりに出会い感激です。近郊の森で採れているのか調べます。