僕のお薦めスモーカーで作る野生ニジマスと鮭の燻製

初夏の渓流でワイルドレインボー(野生ニジマス)を釣る

十勝川支流となる某河川。素晴らしい渓相が続く。

僕は山育ちなので渓流釣りが好きです。最近は昔と比べると釣り場での動きが明らかに鈍ってきて、思わぬ所で転んだりすることも増えていますが。

昨年は何となく釣りに行く機会を逃してしまい、この日は久しぶりのホームグランドでの釣りです。岩魚かニジマスを何匹か釣って燻製を作ろうと目論んで来たのですが、最近は釣り人も多く、なかなか簡単に数は釣れません。

ようやく釣れたニジマス。まあまあの型です。

2時間余り竿を出しましたが、釣果は写真のニジマス1匹でした。まあ良しとしましょう。この魚を持ち帰って燻製を作ることにします。

釣ったニジマスで燻製を作る

材料の魚をソミュール液に一晩漬けます。

家に帰って釣ったニジマスを捌きましたが、さすがに1匹では物足りないのでスーパーで鮭の半身を2枚買ってきました。これをニジマスと一緒にソミュール液に一晩漬けます。ソミュール液は水にワイン、塩、砂糖、ローレル、コショウなんかを入れ、一度煮立ててから冷ましたものです。液に漬けると全体に味が染み込み、味付けの失敗も少ないと思います。

翌朝、流水で軽く塩抜きしてから網で魚を1-2時間乾かします。これで準備は完了です。

軽く塩抜きした後で1-2時間乾かします。

スモーカーの選び方

今はホームセンターでも燻製用のスモーカーがたくさん売られていますが、初めての人はどれを選んでいいのか迷うのではないでしょうか。僕はマニアと言うほどではありませんが、燻製歴は40年、ハム・ソーセージからスモークサーモンまで一通りのものは作ってきました。その経験からちょっとスモーカー選びのアドバイスをしてみます。

スモーカーは基本的に何を作るのかで選び方が違ってきます。例えば既に調理済みのチーズなどの材料を燻煙する場合、あるいは料理の仕上げの香り付けに燻煙する場合などは、特別なスモーカーは不要で、段ボールでも鍋でも煙が閉じ込められる容器があれば十分目的を果たせます。

今回のニジマスのように生の素材を調理しながら燻製する温燻の場合は、ある程度温度を一定に保てるような仕掛けと適度なスペースが必要です。熱源には炭とか電気コンロを普通用いますが、スモーカーのスペースが狭いと温度が直ぐに上がり材料に火が通り過ぎます。逆にスペースが広過ぎると温度が上がらず、最悪は材料に火が通りません。また内部の温度は外気温にも影響されるので、寒い冬だと、必要以上に大きいスモーカーは一定の温度を確保するのが難しくなります。魚の温燻が目的であれば、ホームセンターでよく売っているスモーカーの中で、大き過ぎず、小さ過ぎない、ニジマスのような魚が吊るせる程度のサイズのものを選ぶのが良いと思います。

僕が使っている広島のアールテック・サービスさんのスモーカー。お薦めです。

僕のお薦めスモーカーはアールテック・サービスさんのDUO-DX

燻製界で最終目標とされるのがスモークサーモンです。スモークサーモンは冷燻という温度を上げない方法で作ります。この冷燻造りにはある程度スペースに余裕があり(鮭の半身がそのまま吊るせる位の大きさ)同時に厳密な温度管理(空気の調整口やサーモスタットが使える)が出来る構造のスモーカーが必要です。僕のお薦めは、自分も長年使っている広島のアールテック・サービスさんのスモーカーです。これは高さが1m近くあり、スモークサーモンのような冷燻をはじめ、あらゆる燻製造りに使える、趣味用としては究極のスモーカーだと思います。

60-70℃で3-4時間が目安。今回は桜のスモークウッドを使いました。

自家製スモークとウイスキーで過ごす夜

今回は桜のスモークウッドを使い60-70℃で約3時間半燻煙しました。詳しくは動画をご覧ください。熱源は電気コンロですが、夏場だと300W設定でも十分な温度が得られます。また温度が上がり過ぎた場合は窓を開けて熱を逃して調整します。

昔は泊りがけで釣りに行き、釣った魚を河原のキャンプサイトの焚き火で焼き枯らして食べたり、持ち帰ったりしました。思い返すとあれこそまさに本物の燻製でしたね。そんな昔を思い出しながらウイスキーのオンザロックを飲んだりする時、手作りの燻製は最高のあてになります。